研修という形で農業に携わったのが2002年。そして、数年かけて、研修しながら、アルバイトしながらと緩やかに独立することになりました。じつはその頃はまだ、素敵でキャッチーで自分にちょうどいい農園名があればなぁと、思ってはいたもののなかなか決め切らないまま農家としての実態だけが先行して、とりあえず草野農園という状態が続いていました。
　そんな状態が数年続いた10年前に縁あってここ山鹿市に移り住むことになりました。
　その新たなスタートを機に名付けた農園名が「ここから農園」。
新天地での新たなスタートに相応しい名前。実はこの名前には、もう一つメッセージが込められています。それまでの農業経験の中で台風や大雨などの気象災害、はたまた自分の知識不足、未熟さから色々な挫折や失敗をしてきました。収穫を目前に台風で飛ばされてしまった野菜。それを目にしながら心まで折れることが幾度となくありました。でも、そんな野菜の横で土から芽を吹き出そうとする野菜を見て勇気づけられることもありました。そんな経験から、失敗しても、目の前が真っ暗になっても、そんな中でも新しい希望の芽がきっと出てくる。毎日が新しいスタートでありたいという希望や自分への鼓舞を込めた名前でもあります。そんな自分にとってのここからが、これからは皆さんにとっても前向きになれるメッセージになればうれしい限りです。